Love & Peaceじゃだめかしら。

雨やどりをしよう。

生まれて来たからには、みんな一緒に幸せがいい。この地球で雨やどりをしよう。今よりもう少しだけゆるく幸せな世界を提案したい、24歳♀による(ちょっぴり)哲学的ブログ

WWOOF体験記〜総集編2018!〜

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こんにちは。フキです。

 

私は大学を卒業したのちの1年間、

日本各地でWWOOF(ウーフ)をやってきました。

 

(WWOOFについてや、私がWWOOFを始めた理由はこちらの記事をどうぞ↓)

 

 

 私が2018年4月〜2019年1月の約1年間にお世話になったWWOOFのホスト様は、

ぜんぶで 5軒

 

今回の記事では、実際、各ホストのもとでどんなことをお手伝いし、どんなことを学んだかをまとめてお伝えたいと思います o(^o^)o

 

 

当初は、1軒ごとに記事を書いていたのですが、なにせ、そこでの出来事や、出会った人の人間模様が多彩すぎて、「WWOOF体験記」の記事としては、メッセージがブレてしまっていることに気づき、方針を変えました。

 

結論から言うと、私がWWOOF体験から学んだことは農業だけでは全くなく、むしろより学べたのは、

人間の生き方は実に多彩である

ということ。

 

 

やはり、誰か他の人と一緒に生活するというのはすごいことです。

WWOOFでは、今まで知る由もなかったような人に出会うことができ、さらに共に生活します。

自分の「あたりまえ」だったことが覆され、知らない世界が広がります。

農作物がどれだけの手間暇がかかって作られているか。

農業を職業としてではなく趣味として、ライフスタイルとして取り入れる方法や、

自然環境になるべく負担のかからない生活様式

 

 

また、WWOOFが「世界に広がる有機農場での機会」ということを意味するだけあって、ホストは総じて

地球環境保全に対して関心がある人が多かったです。

 

 

だから、食器洗いや洗濯の洗剤を、環境に優しい原材料で作られたものを使用していたり、中には菜食主義の家族もありました。

(それをウーファーに強要することはありませんでしたが)

 

時には、自分には合わないような生活をしていたり、考えを持っている人にも出会います。

しかしそんな中で経験や価値観を共有し合うことで、私自身、お互いの違いを許容する範囲がすごく広がったように思います。

じゃあ、自分はどんな生き方がしたいのか?というのを自問できる機会にもなります。

それを私は「農業」という間口を通して日本各地に学びに行ったというようなものです。

そう、ほんとうに人間の生き方は多彩。

自分がどう生きたいか。何を選択し、何を信じて生きるのか。

その選択肢がぐっと広がった、WWOOF体験でした。

 

また、WWOOFでは、

海外からのウーファーと滞在期間が重なって、一緒に作業・生活することもあります!

WWOOFの認知度が日本より高い国が海外には多くあり、案外と多くの外国人が日本でもステイしているのです。

彼らとは一日中一緒にいることになるのですから、色んなお話ができて楽しいですよ!

 

 

今回の記事を通して、まず「私の経験したWWOOF生活ってこういうものだよ!」というのをお伝えしたいと思います。

(※なお、お世話になったホストさま方の個人情報守秘のため、当記事ではステイ先の詳細の記述は避け、ホスト様のお名前は仮名とさせていただきます。)

 

 

 

WWOOF1軒目:ちいさな雑貨屋さん

とある山あいの田舎町にある雑貨屋さん。

ホストはここを経営する30代の女性、あかねさんでした。

 

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ここでのWWOOF生活の様子は、別の記事で書いています。

(↓この記事の終わりにリンク貼付しておきます。↓)

ぜひ見てみてください。

農業体験はできなかったものの、はじめてのWWOOFにしてはとてもリラックスした良い時間が過ごせました。

ホストのあかねさんのお気遣いもあって、最終日には周辺地の観光もできました。

ありがとうございました\(^o^)/

 

 

WWOOF2軒目:大きなりんご農園

長野県のとある町。山裾の平野には一面りんご農園が広がっています。

WWOOFのホストであるよしひろさんは、ここで農業法人として大規模なりんご農園を管理しています。

農園には常時10人近くのスタッフが勤務しているほか、時期によっては海外からの研修生が数名と、そこにウーファーが数人加わり、大人数で作業しています。

 

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農家に生まれ、学生時代には農業を継ぐ気はなかったというよしひろさん。

しかし大学在学中に行ったアメリカでの農業研修で現地の農業のスケールの大きさに驚き、それが農家というものを見直すきっかけになったと言います。

見渡す限りの広〜〜〜〜〜〜い農場を、大勢のスタッフを雇って豪快に経営するファーマー。

アメリカの農家、超かっこいい…!」

そう思ったそうです。

そして帰国後、親のりんご農園を引き継ぎ、徐々に規模を拡大し続け…

今では県内一の大規模農園にまで成長しました。

 

そしてよしひろさんは、

若者の農家育成にも大きな力を注いでいます。

そもそも、ここまで農園の規模を拡大できたのも、周辺には後継者のいない農家が多いから。

買い上げ、または借り受けという形をとって、放棄された農園の管理を引き継いでいるのです。

 

しかし一方で、農業を志す若者は、実家が農家でない場合、農業を営む基盤を持っていません。

そんな若者がよしひろさんの元に集まります。

彼らはよしひろさんの農園に一度就職し、働きながら技術を学び、だんだんと農園の一部を任せられ、ゆくゆくはその農園を貰い受けるという形で独立していきます。

農業を続けられない高齢者と、農業を始めたいという若者の間で、実質的なパイプ役ともなっているのです。

 

また、スタッフの中には、

農業で身を立てたいわけではないけど、他にやりたいことがあるという人もいました。

やりたいことでの収入が安定するまで、基本的な収入と融通の利く休日体制が欲しいということで、この農園に勤めているのです。

そしてよしひろさんはそうした生き方に対して深い理解があり、そんなよしひろさんの元でだからこそ、叶えられる夢があるようでした。

 

「来るもの拒まず、去る者追わずがうちの農園のモットー。」

 

そんな、とても風通しのいい農園なのでした。

農業は、土地や機械がやっているのではない、“人(ひと)”がやっているんだなあ…

そう感じたWWOOF体験でした。

 

 

 

WWOOF3軒目:家族で経営する桃農園

3軒目となるWWOOFは、約2haのもも農園を家族で経営する間宮さん一家

代々受け継がれるもも農園を若夫婦が中心となって管理しており、

今まで受け入れたウーファーは300人以上という、ベテランホストでした。

家族経営としては規模の大きい農園も、ウーファーの手助けがあって管理しきれているそう。

閉鎖的となりがちな農業経営も、生活に色んな人を受け入れることで新しい風が吹くので、WWOOFは自分たちに合ったシステムだと絶賛。

「自分たちも海外を旅行しているかのようだ」とおっしゃっていました。

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このホストには、日本国内はもちろん、海外からもWWOOFのリピーターが多いとのことでした(゚o゚!

その一つの要因には、間宮さん宅では、菜食主義のウーファーの受け入れが可能ということがあると思います。

日本ではまだ浸透していない菜食主義も、海外、とくにヨーロッパでは数多くいるみたいです。

そうした人たちが日本でWWOOFステイしたい時に、菜食メニューの食事を提供できるところは数限られているのですが、ここ間宮家では、祖母のけいこさんが家の敷地内でビーガン(菜食)カフェを経営していることもあり、肉や卵、だしまで使わない「完全菜食」の食事を作ることができるのです。

けいこさんのカフェで出すメニューの一部を食べさせてもらったのですが、もう、

魔法のように美味しかったです…!

ほんとに卵もだしも使ってないの?とびっくりしました。

それもそのはず、けいこさんのカフェは、県外からもお客さんが訪れる、菜食レストラン界では超有名な人気店だったのです。

 

しかし間宮さんの家庭内では、特にお肉禁止といった縛りはありませんでした。

お母さんの京子さんは、食事に関してとても熱心に勉強しており、ご自身ではお肉類はあまり食べません。

そして息子のみなとくん・るいくんにも食事の知識を教えるのですが、

それを選択するかどうかは自分たちに任せているようでした。

 

だからみなとくんたちは、例えば、お肉は食べたいみたいで、お母さんにお願いしてお肉のメニューも作ってもらいます。

しかし、牛乳は飲みません。

「牛乳は牛の赤ちゃんの飲むものだから、俺は飲まなくていいんだー」

と言って、代わりに豆乳を飲んでいました。

学校でも、先生に自分たちでちゃんと説明して、給食の牛乳を拒否しているそうです。

 

完全菜食を貫いている祖母けいこさんに、なぜ菜食をしているのかと聞くと、

「動物がかわいそうだから。」と意外にあっさりした答えが帰ってきました。

菜食主義の人たちの、動物由来の食べ物を食べない理由には様々なものがあります。

その考えの良し悪し、正誤の問題はさておき、この家ではとにかく、

各自が自分で考えて、それを実行しています。

そこがすごいと思いました。

私自身、世界の平和やより良い暮らしを望みつつ、それを実現させるために何か行動に移すことは少ないように思います。

というか、そうするための選択肢が、実生活において見出せない。

しかしこの家には、そんな選択肢のヒントがたくさん転がっていました。

 

例えば、

・洗濯洗剤、洗髪料は、水に流した時に有害物質を残さず分解されるものを使っている。

・2匹の保護犬、と3匹の保護猫を飼っている。

・農園も、「減農薬」という手法で栽培している。

(通常使われる農薬量を1/3に抑えると減農薬と言えるそうです。)

・人体に有害な物質の含まれない歯磨き粉を使っている

など…

 

勉強することがたくさんありました。

この家では「人間のライフスタイル」を学ぶ機会が特に多かったです。

私たちは、世界を良くするために意識的に選べることは、実はたくさんあるのだと。

 

 

 

WWOOF4軒目:ケーキ屋・農業の兼業農家

兼業として農業を営む農家さんも見てみたいと思い、次に訪れたのは海老原さん・猫田さんのお店でした。

海老原さん、猫田さんはケーキ屋を営む傍ら菜園、田んぼで作物を作っていて、収穫物は近くの道の駅やケーキ屋さんの一角で販売しています。

ケーキ屋では、地元産の米粉を使ったシフォンケーキとプリンが売られていました。

農場には、鶏やウコッケイ、ヤギもいて、そのお世話が面白かったです^_^

 

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ホストのお2人は、いわゆるビジネスパートナー。2人で組んでこの地でレストランを始め、その傍らで始めたケーキ屋さんが軌道に乗り、今はそちらが中心になったとのこと。

シェフである海老原さんは、料理だけでなく、農作業、園芸や日曜大工、英会話までマルチに技術を持った、とても器用な人でした。

まさに、「百姓」!

 

一方、猫田さんも色々なことが上手ですが、どちらかというと企画力がある人だと思いました。地域協力隊としてこの地に移住して、今でも農に根ざした暮らしを子どもたちに体験させるために定期的に夏休み学校のような、民泊を催しているみたいです。

 

「能力の違う2人が力を合わせて、お互いの夢を叶える手助けをしている」

そんな印象を受けました。

(でも一体、こういう出会いって、どこでどうやって起こるんだろう?

 

 

ケーキ屋の面白さ、農家の面白さをどっちも味わってるなんて、すごい!

かなり前衛的で、理想的なライフスタイルを叶えてるのかも…

そう思いましたが、海老原さんはこう言います。

兼業農家なんて言いつつ、

僕らの農業での収入なんて本当に微々たるもの。

自分たちで食べる分だけが採れればいいと思ってやってるんだ。」

 

 

そうです…

今までのWWOOFでも見てきて感じたことなのですが、農業は手間暇がすごくかかっているわりには作物の値段は安く、つまり、

農業は一概に“儲かる”職業とは言えないのです。

 

だから、片手間でやる農業ではなおさら収入が期待できるわけではありません。

手間や材料費などを考えると、むしろスーパーで安い野菜を買った方が安上がりということにもなってしまうのです。

 

しかし、代々受け継がれた小規模な農地を管理すべく休日だけ農家になる「サラリーマン農家」は依然として地方には多いですし、都会の人にはむしろ、わざわざ遠くの地方まで車を走らせ、借りた農地を耕している方もいます。

“リフレッシュ”と称しての、趣味としての農園づくりですね。

農業というのは、ただ単に「お金を儲ける手段」には収まらないのです。

収入源として農業を営む農家がいる一方で、お金と時間をかけてでも農業をやりたい人がいる。

なぜか。

 

そこで出てくる唯一の問いは、

「農業が好きか?」

「農業になんらかの価値を見出しているのか?」

 

 

海老原さんたちは、その答えを行動で表していました。

私が憧れであり、WWOOFをやるきっかけとなった宇宙飛行士の秋山豊寛さんも、そこが原動力で農業を始めたに違いありません。

(秋山豊寛さんについての記事はこちらをどうぞ↓)

WWOOF(ウーフ)って何? 私がWWOOFを始めた理由ーきっかけは1人の宇宙飛行士ー - 雨やどりをしよう。

 

ここ、4軒目のWWOOF生活を通して、人と農業との付き合い方の一例を見ることができました。

農業は、職業であるだけでなく、ライフスタイル、つまり“生き方”そのものなんだ。

 

 

 

WWOOF5軒目:山の奥の民宿

今回のWWOOFは冬真っ只中、山奥の雪深いところに来ました。ホストの只野さんご夫妻は約30年前に東京からここに移住し、民宿を開いたそう。

ここの深い雪やしずかな夜を求めてこの民宿には、年配の方から子どもまで、たくさんの人が訪れます。

私が訪れた1週間は、ちょうど20人近くの小学生の団体が宿泊していました。

 

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1月の冬真っ只中に行ったため、すっっごく寒いWWOOF生活でした。

ホストの只野さんは、特にご主人が寒いところが好きで、雪深いこの地が気に入って移住してきたそうです。

若い頃はアラスカやカナダなど、寒い土地を中心に世界中を放浪していたという只野さん。

そして40代の頃、一念発起してこの古民家を買い取り、民宿経営、農作業・山の手入れをしながら奥さまと暮らすようになったといいます。

部屋のストーブの薪は裏山から取ってくるし、お風呂は薪で焚く五右衛門風呂。

寒い日には外の手作りサウナに入り…

只野さんたちは本当にこの雪山での暮らしを楽しんでいるようでした。

 

自然環境と隣り合わせのここの暮らしでは、

環境に負荷をかけずに生活する方法をたくさん学びました。

例えば…

・食器は、汚れを紙で拭いてから洗う(水をなるべく汚さず使うことになります。

・暖房、照明は必要最低限に抑える。

・食べ残しが出ないように、料理を作るときに量を細かく調整する。

など…

お2人の生活には、知恵がたくさん詰まってて、見習うべきものが多くあると感じていました。

 

 

しかし、ひとつ引っかかる出来事が起こりました。

この家では、お客さまやスタッフの食べ残した食料を、飼い犬にエサとして与えており、

(もちろん、犬に有害と言われるネギはちゃんと取り除いてから与えます。)

その日の夕食のメニューには鳥の手羽先があったのですが、

そこで出た鳥の骨まで犬に与えようとしていたのです。

 

鳥の骨は縦に裂けやすく、体内で臓器に刺さることもあり危険と言われています。

その日はさすがにホストに疑問をぶつけました。すると、

「鳥の骨は犬に与えてはいけないという話はあるけれど、我が家ではずっとこれをやってきていて、今いる犬も15歳で元気にしている。

これがうちのやり方だ

との答えが返って来ました。

 

たぶん、こういうことなんだ。

只野さんは「犬に鳥の骨を与えてもいい」と信じているけど、私は「与えてはいけない」と信じているから、私は犬にそれをあげない。

誰が全て正しくて、何が間違っているということは決してなくて、いろんな価値観があるけれど、

結局は自分が何を選ぶのか、それが自分の行動を決める唯一の指針なのだ。

そう思いました。

 

 

只野さんには、自然の中で暮らしてきた様々な知恵があって、私はそれをしっかり学ぶけど、「鳥の骨をあげてもいい」という考えは、選ばない。

 

ある人がすばらしいとかそうでないとか、正しいとか間違っているとか、

注目すべきはそこじゃなくて、

最後には、誰かの言うことを信じるのか、信じないのか、

自分はそうするか、しないのか。

それしか自分を決めれるものは残らないのだと、強く感じました。

 

ここ5軒目のWWOOFでは、価値観の違いの受け入れ方を学びました。

 

 

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以上、私のWWOOF体験をまとめてお伝えしました。

日本でWWOOFのホストとして登録している農家は数多くいます。

それら全部を見ることはできないし、選んだホストも、運や縁としか言いようのない確率で出会うわけですが、私は不思議と、毎回何かを学んでいます。

何を学んだかがすぐには分からなくても、数ヶ月…半年…と時間をおいてから初めて、それが自分にとって意味のある経験だったと気づく瞬間が必ずありました。

 

誰と会うかも分からない、何を学ぶかも分からない、けれども確かに意味のある経験を得ることができる。

WWOOFはとっても不思議です。

 

 

2019年4月からは、ヨーロッパに3カ月滞在し、数カ国でWWOOFをやります!

そこでの体験も徐々に記事にしていきたいと思います、ぜひチェックしてくださいね\(^-^)/

 

 

最後に、サン=デグジュペリ『星の王子さま』より、私の好きな言葉。

 

*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

 

ひとには、みんなそれぞれにとっての星があるんだ。

 

*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

 

 

世界なんて、いますぐ平和になればいい。

みんなでこの地球で雨やどりをしよう。

 

 

WWOOF一軒目、雑貨屋さんでの生活の記録はコチラ↓

 

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